ゾロ「なにも、なかった・・」
ゾロは、アラバスタの女王ビビから「Mr.ブシドー」と呼ばれていました。
ブシドーとは「武士道」からくる言葉と思われます。
ビビはゾロのことを知らなかったため、剣で戦う姿を見て、Mr.ブシドーと呼んでいたことになりますが、ゾロの姿を見てニックネームを付けたのなら、「ミスター武士道」ではなく「ミスター武士」と呼ぶ方が自然です。
なぜなら、武士道とは「武士道精神」「武士の魂」と呼ばれるような「目に見えない内面」を表すためです。外見を見て判断したのなら「ミスター武士」です。
ではなぜ、ビビはゾロのことをMr.ブシドーと読んだのか?
これは、「武士道精神というものを知ってほしい。ゾロの武士道精神を刮目せよ」という、尾田先生からのメッセージのような気がします。
武士道精神の代表的な特徴は、
・君主(ボス)へ忠義
・死の美学
・やせ我慢の美学
です(もちろんこれだけではなく、他にもあります)。
この「ボスへの忠義」、「死の美学」、「やせ我慢」に着目して、麦わら海賊団 対 バーソロミュー・くま の一戦を振り返ってみたいと思います。
スリラーバーグで、王下七武海の一人ゲッコー・モリアに勝利するも、麦わら一味はダメージを受け、消耗する。
疲れきって傷も癒えない状態で、当時のルフィ達では歯が立たない強敵バーソロミュー・くまとの連戦となり、とどめの爆撃により、ルフィ達は重症を負う。
バーソロミュー・くまがルフィにとどめを刺そうとすると、意識を戻したゾロがルフィの身代わりを買って出る。

ゾロ「分かった。首はやるよ。だが!!身代わりの、この俺の首一つで勘弁して貰いてぇ!」「船長一人護れないで手前の野心もねえだろう。ルフィーは海賊王になる男だ!」
サンジも意識が戻り身代わりを買って出るが、ゾロは自分が犠牲になるためにサンジに不意打ちを与え、気絶させてしまう。

ゾロとくまの交渉は成立し、ゾロは致死の拷問(ルフィの痛みと疲労を与える)を受けることに。
仲間から離れた場所でくまによる拷問が執行され、・・時間が経過し、仲間たちは意識を取り戻す。
全身から血をふきだし仁王立ちする瀕死のゾロに対し、「何があったんだ!」と駆けつけるサンジ。
ゾロ「・・・なにも!! な゛かった・・・!!!」

★ボスへの忠義★
「この俺の首一つで勘弁して貰いてぇ!」
★死の美学★
サンジを気絶させ、犠牲になるシーン
★やせ我慢★
「なにも!! な゛かった・・!!!」
ゾロの武士としての模範行動、かっこよすぎませんか?ワンピース至上、トップクラスの名言、名シーンと言えるでしょう。
マンガなので、出来過ぎた展開ではありますが、人として・男としてかっこいい模範を知ることは大切な事です。
武士の心、男の根っこは「やせ我慢」と言われています。
「今日、全然寝てないんだぜ」などのような寝不足自慢がかっこ悪いのと同じように、「寒い」「熱い」「痛い」「疲れた」などと、ぶっちゃけるのは美しくありません。
ぶっちゃけたくなった時や、周囲が心配しているときこそ、このゾロのシーンを思い出し、やせ我慢を発揮、踏みとどまってみてはいかがでしょうか。