【16巻:143話】”不器用”


【16巻:143話】”不器用” 

「おれァ… 死ぬだろ」

口から血を吐き、ヒルルクはドクトリーヌに聞く。

「ああ 死ぬねェ…」

「あと3・4日ってとこか?」

そう言って、僅かでも延命できないかと願い出る。

「おれにはやり残した仕事があるんだ
30年間続けた研究に形をつけたい」

「そんなに生きたきゃ
また遠い西の国でも行ってきたらどうだい?
昔 大泥棒だったお前を救った
”奇跡の桜”とやらを見にさ…」

だが、ヒルルクは言う。

「この国におれが… 桜を咲かせてみせる…!!」
その会話を聞いていたチョッパー。
彼は黙々と山へと走り出した。
ヒルルクは続ける。

「考えても見ろ…!
やっと出会えた たった一人の仲間だぜ…
そいつが目の前でいきなり死んだとすりゃ
あいつは一体どうなる…!?」

「だから せめて最後に教えてやるんだ
お前にだって何でもできるんだってよ…!!
おれが桜を咲かすことで!!!」

その言葉にドクトリーヌが答える。

「お前は4日後の午後5時半に死ぬ
…それが寿命さ
あたしなら3週間…
お前の体をダマすことは出来る…!!」

 

チョッパーは山をひたすら走っていた。
ヒルルクの家に戻り、図鑑をめくる。

そして、あるページに目を止め、意を決して外へ出る。

ヒルルクへの想いを胸に、自らが生まれたトナカイの
群れと闘い、傷つきながらも、捜し求めた。

”アミウダケ”

そしてついに見つけたのだ!!
ヒルルクは家に戻り、研究を続ける。
何度も失敗しながらも、ヒルルクは諦めることは無い。

そして一週間が経過。

やつれた表情のヒルルクの前に、ボロボロの体の
チョッパーの姿が。
角は折れ、片足も折れて引きずりながらも、その手に
1本のキノコを持ち、帰ってきたのだ。

「そいつは”アミウダケ”じゃねェか…」

「生ぎててドクター…!!
…ドクター おれ医者になりたいんだよ…!!」
「医者のやり方… 教えてくれよ…!!
トナカイでも… やれるかな」

ヒルルクはチョッパーを抱きしめて言った。

「やれるさチョッパー
お前は こんなに優しいじゃねェか…!!」


 ↑おかげさまで、まずまずです。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

おすすめ記事

ページ上部へ戻る